【1.始めよう設計者CAE!】

vol7. 仮想パーツの活用

CATIA GPSではASSY構成部品のうち剛性に関与しない部品はメッシュ分割せずに仮想パーツとして解析モデルに組み込むことができます。
たとえば図1のような積載物の載った架台の強度解析を行う場合、積載物は構造部材として影響しないため解析対象から外して、その自重のみを考慮して架台を単体で解析することができます。また架台根元の垂直板をボルトで取り付けている壁面は、構造部材として考慮せずに剛な接触面として境界条件を設定します。

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GPSでは前者の積載物を平滑仮想パーツとして、また後者の取付け壁面を接触仮想パーツとしてモデル化することができます。GPSはこの他に剛体仮想パーツを備えており、仮想パーツがどのように結合されているかによって使い分けできるようになっています。図2にこのモデルへの仮想パーツ活用例を示します。

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積載物はメッシュ対象とせずに重心位置にハンドラ点を作って平滑仮想パーツとして定義します。そしてそのハンドラ点に積載物の質量を与えます。また壁面側の境界条件は垂直板の背面に接触仮想パーツをつけて接触の条件を設定します。接触仮想パーツおよびボルト穴はクランプ拘束を設定して架台全体の剛体移動を防ぎます。

このように仮想パーツの活用により、設計者は不要な形状モデルのメッシュ作成を省略できたり、壁面接触のようなリアリスティックな境界条件の設定が可能になります。
この架台の解析結果を図3に示します。このように仮想パーツを活用すると剛体壁への取付け部についてリアリスティックな変形が得られます。

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次回は実験データや他の解析結果と連携するときに役立つデータマッピングについて紹介します。

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著者情報

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株式会社ファソテック 技術顧問 CAEコンサルタント 藤田俊之

1974年 名古屋工業大学 機械工学科を卒業、川崎重工業に入社。10年間、化学プラントの耐震設計および航空機の強度・振動解析などの構造解析、さらに宇宙機器の開発に従事。
1984年 日本アイ・ビー・エム入社。26年間にわたりCAEDS(I-DEASの別名)、CATIAアナリシスおよびSIMULIAなどのCAEツールを担当するSEおよびテクニカルセールスを歴任し、一貫してCAE技術畑を歩む。
その後ダッソー・システムズを経て、2012年よりCAE推進をライフワークとするコンサルタントとしてファソテックに在籍し、現在に至る。

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