【4.粒子法流体解析ソフトParticleworksの適用事例紹介】

vol1. スプレーノズルの噴霧シミュレーション

1.はじめに

塗料スプレーガンのノズルをモデル化して塗料の噴霧挙動を流体解析した例をご紹介します。

このシミュレーションはノズルの設計のためではなく、最適な塗布厚および塗布面積になるように、塗料の材料特性や吐出圧力をコントロールする、自動塗布システムの構築を机上で検討した事例です。シミュレーションは、粒子法流体解析ソフトウェアParticleworks※を使用していますが、粒子法はノズルの移動に伴なって空気中に飛散する塗料の挙動を、リアルにシミュレーションします。もちろん吐出圧力および流体の粘度や比重によって飛散の様相も変わりその変化もシミュレーションできます。

注※)Particleworksは株式会社プロメテック・ソフトウェアの登録商標です。

ノズル吐出モデル

ノズル吐出量は評価面Aの通過量を計測し、壁面塗布量は評価面Bの通過量から計算します。

通過流量

2.静止ノズルの塗布厚予測

通常の流体解析においては、塗料が塗布面に衝突し跳ね返るモデルで解析すると、衝突したあとに塗布面に塗料が残らないため塗布量を算出できません。そこで塗料は、塗布面で跳ね返らず通過する境界条件に変更して、塗料の流量を測定することにより塗布量を算出しました。塗布面は、半径方向にいくつかの領域に分けて、領域ごとの流量を求めて分布をプロットします。ノズルから塗布面までの距離によって、塗布厚プロファイルは変化します。

塗布厚の分布

 

お役立ち資料ダウンロード

この続きをふくめ、お役立ち資料からダウンロードしてご覧ください。

3.移動ノズルの塗布厚と線速の予測

設定した均一な塗布厚になるようにノズルの移動速度(線速)を算出します。シミュレーション結果を動画でもご紹介しています。

4.DELMIA Robot Surface Simulationによる塗装シミュレーション

DELMIA Robot Surface Simulationは、塗装設備の最適化を支援するアプリケーションです。塗装シミュレーション結果を動画でもご紹介しています。

粒子法流体解析ソフトParticleworksの適用事例紹介

 

著者情報

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株式会社ファソテック 技術顧問 CAEコンサルタント 藤田俊之

1974年 名古屋工業大学 機械工学科を卒業、川崎重工業に入社。10年間、化学プラントの耐震設計および航空機の強度・振動解析などの構造解析、さらに宇宙機器の開発に従事。
1984年 日本アイ・ビー・エム入社。26年間にわたりCAEDS(I-DEASの別名)、CATIAアナリシスおよびSIMULIAなどのCAEツールを担当するSEおよびテクニカルセールスを歴任し、一貫してCAE技術畑を歩む。
その後ダッソー・システムズを経て、2012年よりCAE推進をライフワークとするコンサルタントとしてファソテックに在籍し、現在に至る。

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