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ハイライト
- 医療機器・デバイスの開発では、”医工融合”が重要です。医学系研究者(主に医師)と工学系研究者(大学やメーカーのエンジニア)がそれぞれの専門技術や知識を持ち寄り、双方が全ての開発プロセスに関わりながら研究開発を進めていくことが必要です。
- 医療機器デバイスの開発においても試作モデルを用いた評価実験が欠かせません。
- 医学系研究者をはじめ誰もが安全・簡単・スピーディに、思いついた”アイデア”を”かたち(モデル)”にして評価できる環境、体制が求められています。
- たくさんのアイデアの中から”目ぼしいもの”を素早く見極めるために、Edenによる試作モデルは欠かせないツールとなっています。

Edenによる試作モデル
医工融合
東京女子医科大学先端生命医科学研究所では、かねてから医学と工学の自発的な融合をもたらす開発環境の重要性を認識していました。専門性や立場を越えた自由で活発な交流が、双方それぞれの”想い”の理解につながります。この理解こそが常に全体最適化を念頭においた研究姿勢を生み出し、医療現場で真に使える医療技術の創出につながるのです。この考えのもと同研究所は多くの工学系研究者やメーカーの技術者を受け入れ、先端的な医療技術、機器デバイスなどの研究開発がおこなわれています。その研究開発にEdenも大きな役割を果たしているのです。
Edenを用いた「細胞シート」移植用デバイスの開発
同研究所では、「細胞シート」を用いた再生医療の研究開発に取り組んできました。細胞シートとは患者さんの細胞から再生させたシート状の組織で、同研究所が開発した特殊な培養皿を用いて作ることができます。細胞シートには生体組織の基本的な機能・特性が保持されており、患者さんに移植することで失った生体機能を補うことができます。たとえば重症心不全の患者さんに対する筋芽細胞シート(太ももの筋肉の細胞から作製した細胞シート)を用いた再生医療はすでに臨床応用され、良好な成績が得られています。
しかし、細胞シートの移植方法には課題が残されていました。細胞シートを胸の臓器に移植するためには胸を大きく切開し肋骨の一部を一時的に除去する必要がありました。それは患者さんにとって大きな負担です。そこで、肋骨と肋骨の間に約1cmの穴をあけ、この穴から3cm四方の大きさの細胞シートを移植できるデバイスを開発しました。ダイヤルを前後に回転させることで、フィルムをパイプ内に丸めて引き込んだり、逆にパイプから押し出して広げたりできる構造になっています。細胞シートをフィルムにのせ、デバイス内に丸めて収納します。胸にあけた穴から体内に挿入し、患部の近くでフィルムを押し出し細胞シートを広げます。細胞シートを患部に押し当て移植するのです。この例のほかにも、眼球網膜下への移植用、消化管内壁への移植用のデバイス開発が進められています。
評価実験によってこそわかる”医療機器らしさ”
同研究所が導入したRP装置は「Eden350」です。その選定にあたっては、「FDM(熱溶解積層)式」「レーザー走査式」「インクジェット式(Eden)」の代表機種を実際に使用し、次のような基準でEdenが選定されました。
- 実用性(評価実験ができるだけの強度・精度・耐久性)のあるモデルを作れる
- 安全性(例:樹脂供給はカートリッジ式で直接手に触れない)
- 操作、メンテナンスが容易(専任オペレーターが不要)
- 造形面がきれい
- 造形速度が速い
- 運用、維持コストが安い(クリーンルームなどの設備が不要)
Edenを用いて製作されたデバイスは、実際の手術を模した実験系で評価・検証されます。写真3はその手術シミュレーション中の様子を内視鏡カメラで撮影したものです。
「解はひとつではありません。重要なのはたくさんのアイデアをひらめき、その中から実験を通してめぼしいもの、医療機器らしさを兼ね備えたものをスピーディに見つけ出すことなのです」と担当者は指摘します。
Edenは評価実験ができるだけの強度・精度・耐久性のある実用的なパーツを(従来のRP装置に比べて)迅速かつ安全、簡単な操作で作れるだけでなく、その材料樹脂(FullCure720)は生体適合性材料としてFDA(アメリカ食品医薬品局)に認可された唯一のRP装置です。

手術シミュレーション中の様子
(内視鏡カメラの映像)
前例がないモノを創るために欠かせないツール
同研究所がEdenを導入したのは2006年。導入により、誰でもひらめいたアイデアを当日〜翌日には実験で評価できる環境が整いました。
「今後の課題はサポート材の完全な除去ですね」と担当者は語ります。サポート材は医療認可材料ではないので、薬品・水で溶解するなど現在とは異なる方法での除去がEdenのさらなる応用・発展につながると指摘しています。
先端医療機器・デバイスの研究開発分野においても、限りある研究開発資源を有望な研究テーマに集中されるために、考案したデバイス(アイデア)が医療現場で本当に役に立ち、患者・医療従事者の双方にたしかなメリットをもたらすか否かをスピーディに見極めることが重要です。そのために欠かせないのが実際に使用できる試作モデルであり、それを従来の方法に比べ低コスト・超短期につくることができるEdenなのです。

実用性(評価実験ができるだけの強度・精度・耐久性)のあるモデルを作れる
お客様情報
※2008年6月作成






